第2回電王戦第1局 【阿部光瑠四段 vs 習甦】の棋譜と感想

第2回電王戦第1局 【阿部光瑠四段 vs 習甦】が行われました。今日から毎週土曜日に開催される第2回電王戦第1局ということで、プロ棋士側、コンピュータ側にとって非常に大事な一戦になり注目を集めた一局となりました。

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113手で先手:阿部光瑠四段の勝ち。

一局を振り返ると、習甦の激しい攻めを丁寧に、そして正確に受け切って阿部四段が完勝したという印象です。

17手目▲9五歩、後手の△6三銀に足並みを揃えたい局面で9筋の位を取った一手が最後まで活きた結果になったと思います。これは序盤から端歩を受けないという噂があるコンピュータの裏をかいた阿部四段の作戦だったのでしょうか。終盤、玉側の端歩の位は価値が高いので、今後も通用する作戦なのかもしれません。

34手目△6五桂、阿部健治郎五段曰く、基本的にプロ同士では通用しない無理攻めという事だったのですが、▲6八銀と引いたことで後手の習甦としては忙しい展開となり、攻め切れるか受け切られるかという局面が続きます。終局後、記者会見で阿部四段は「△6五桂を指して欲しかったが△2二玉の後だったので自信が無かった」と仰っています。

50手目△4四角、解説の阿久津七段は「後に△6九銀を指すぐらいなら先に△4四角を含みに残して先に△6九銀のほうが良かった」と仰っていました。また、△4四角の局面、聞き手の矢内理絵子女流四段は▲6六角を推奨。

56手目△5七桂成、この一手で後手の攻めが完全に切れたように感じました。後手の攻め駒は先手玉から離れ、先手の守り駒は先手玉に寄ってくる感じで阿部四段としても随分楽になった印象です。

60手目△6七金、これは解説の阿久津七段が「この手が習甦の敗着」と仰っていましたね。たしかに結果論かもしれませんが、6七の金が最後まで働く事はありませんでしたし、持ち駒の金を打ってしまったことで後手の駒台は歩だけという展開が続きましたね。

72手目△4一金は人間では指せないコンピュータ独特の指し手でした。阿久津七段や矢内女流四段も仰っていましたが、「71手目に▲5一馬と馬を打ったようなものだ」と、実際に後手は2手損ですから、このあたりで先手の阿部四段の有利、もしくは優勢を意識した方も多かったはずです。

記者会見で「阿部四段が勝勢だと感じたのは?」と聞かれ答えたのは、86手目△同銀。これも確かに「勝負あったな」と感じさせられる一手でした。以下、一手一手という感じで、後手の習甦が無理な攻め合いをする場面も見られましたが、113手目▲同玉を見て、習甦の投了となりました。

一局の感想は、コンピュータ側はもっとサクサク指してくる、それは習甦も例外ではないはずと思っていたのですが、序盤・中盤では阿部四段よりも持ち時間を消費していた事が意外だった気がします。終盤、99手目▲2二銀に対しても同玉か同飛の二択で時間を使っていたので「一手に○分かけて指す」という設定だったのかもしれません。

今日は米長永世棋聖の百日法要も重なり、そんな日に「相米長玉」、そして米長前会長の想い入れも強い電王戦で勝利したというのは将棋ファンとして嬉しい限りです。習甦に勝った阿部光瑠四段には、指し手の正確さが際立った一局を見せて頂き、プロ棋士の強さ、凄さを再確認させられました。

第2局は3月30日(土)に行われる【ponanza vs 佐藤慎一四段】です。この勢いに乗って2連勝としたいところですが、佐藤四段にはponanzaのソフトを提供されていないようなので、正直、今日のような完勝は難しいと考えています。辛勝でも良いので佐藤四段には勝って頂き、プロ棋士2連勝で第3局の船江恒平五段にバトンを渡したいところですね。

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