第2回電王戦の感想と第3回電王戦の事

本日第2回電王戦第5局【三浦弘行八段 vs GPS将棋】が終わり、プロ棋士(人間側)の1勝3敗1引き分けでプロ棋士を応援していた1人として残念な結果となりました。ただ、電王戦が始まる前までは勝つか負けるかという勝敗にしか興味が無かったのですが、今は勝敗よりも内容や勝敗による人間ドラマに感動した事のほうが大きかったです。

スポンサードリンク

毎週土曜日に対局が行われたので全局欠かさずに見ることが出来た。そして、【人間 vs コンピュータ】という事で注目度も高く将棋に詳しくない方でも楽しめた。そんな電王戦で本当に素晴らしかったと思います。

第5局が終わって、改めて全局の棋譜を見ながら電王戦を振り返ってみました。

3月23日:電王戦第1局【阿部光瑠四段 vs 習甦】
阿部四段の研究によって習甦の激しい攻めを丁寧に受けて攻めを切らして完勝したという将棋でした。米長永世棋聖の百日法要に相米長玉というのも印象的。

3月30日:電王戦第2局【ponanza vs 佐藤慎一四段】
コンピュータを相手に初めて現役のプロ棋士(女流棋士除く)が負けたという歴史的な一戦になりましたね。初めてプロ棋士が負けたという事で反響も大きく、佐藤四段のブログでも落胆している様子が伺えましたが本当に素晴らしい将棋でした。

4月6日:電王戦第3局【船江恒平五段 vs ツツカナ】
序盤は船江五段が上手く指していたにも関わらず、中盤・終盤でのツツカナの追い上げ、粘り強さが目立った一局でした。手数も184手と長手数の攻め合いでお互いに一歩も引かない激しい攻防が印象的でコンピュータの終盤力を改めて再確認した一局でした。

4月13日:電王戦第4局【Puella α vs 塚田泰明九段】
第1回電王戦で勝利した旧ボンクラーズこと「Puella α」と塚田九段の一局で、相矢倉から入玉、そして持将棋24点法による引き分け。形勢は悪くても「絶対に負けられない!」という強い気持ちが伝わってくるような素晴らしい一局でした。

4月20日:電王戦第5局【三浦弘行八段 vs GPS将棋】
プロ棋士側の勝ち越しは無くなったが、勝って2勝2敗1引き分けにしたいというプレッシャーがかかる一局だったと思います。第71期順位戦A級2位の三浦八段を相手に王手も許さないGPS将棋の強さが目立ちました。三浦八段に悪手や緩手が無かった以上、素直にGPS将棋は強かったというのは認めざるを得ない事実ですが、そんなGPS将棋を作った開発者の方々の想い、三浦八段の投了、いろいろ考えると言葉では表せない感慨深いものがあります。

勝敗の結果はコンピュータ側が3勝1敗1引き分けで勝ち越したという第2回電王戦でしたが、将棋ソフトに挑戦するプロ棋士5名の方々がいなければこのような感動はありませんでした。非常に素晴らしい棋戦で第3回電王戦の開催も期待しています。

第3回電王戦のルールは見直したほうが良いかも

今回が第2回という事でまだルールが確立されていない状況だったという問題点があります。

まずソフトの貸し出しについて。
コンピュータ側は対戦するプロ棋士の過去の棋譜をデータに収める事ができるのに対し、将棋ソフトを貸し出してくれる開発者や貸し出してくれない開発者など、プロ棋士は対策ができないという若干不利な対局だったのはいうまでもありません。

勝負だから貸し出す必要は無いという見解もあるようですが、棋譜でーたべーす等でプロ棋士の棋譜が見れる以上、練習用のソフトを対戦するプロ棋士に貸して頂きたいと思います。

持ち時間について。
第2回電王戦の持ち時間はストップウォッチ形式の各4時間でした。思考が疲れないコンピュータを相手に持ち時間4時間というのは人間不利という印象。第3回があるのなら、最低でも6時間、もしくは二日制でも良いでしょう。

第3回電王戦の出場プロ棋士は?

第2回電王戦で勝利したプロ棋士は第1局の阿部四段のみ。もちろん勝敗よりも電王戦全体の内容のほうが素晴らしかったので勝った負けたを語るつもりはありませんが、第5局でA級棋士の三浦八段が負けた事により、今回の結果だけならコンピュータはプロ棋士を超えたと言っても過言ではないでしょう。

ただ、記者会見で三浦八段も仰っていたように「私より強い棋士がいるので…」というのも事実で、今回の結果だけでプロ棋士よりもコンピュータのほうが強いと結論を出すのはまだ早いと思っています。

第3回電王戦が行われるなら、名人を含めたA級のトップ5、第71期順位戦なら森内俊之名人、羽生善治三冠、三浦弘行八段、郷田真隆九段、そして成績が同じ渡辺明竜王か屋敷伸之九段か佐藤康光九段という最強メンバーの団体戦を私だけでなく将棋ファンなら誰でも望んでいる事でしょう。

この時期だと順位戦最終局や名人戦と重なるので日程的に厳しいかもしれませんが、一将棋ファンとしての願望です。

カンニング問題の対策はどうするか?

まだ、トップ棋士が参加していない第2回電王戦の結果だけでは、コンピュータは完全にプロ棋士を越えたとは言い切れませんが、第5局でA級棋士の三浦八段が負けた事により、A級プロ棋士に匹敵する棋力があるのは確かです。

2012年に「鍵のかかった部屋」というドラマの第3話で将棋ソフト「激指」を不正利用しカンニングで将棋に勝つという話がありました。当時は「そんな事ないでしょw」と軽く思っていましたが、プロ棋士に匹敵する将棋ソフトが存在する以上、全く有り得ない話でもなさそうです。

友達や家族と指す将棋なら問題ないでしょう。将棋ファンとしてそんな事は絶対に無いと信じたいですが、賞金が貰えるアマチュアの将棋大会、プロ棋士になる為の三段リーグ、プロ棋士の公式戦など、どうしても勝ちたい、絶対に勝たなくてはいけないという大事な一局があるのも確かです。

カンニングする・しないに関わらず、はじめから誤解すら招く事がないように徹底したカンニング対策をする必要があるほど、今回の電王戦の結果は将棋を指す者にとって大きな影響を与えたように思います。

第2回電王戦エンディングPV

サブコンテンツ
スポンサードリンク

このページの先頭へ