第84期棋聖戦の挑戦者決定戦 【渡辺明竜王 vs 郷田真隆九段】の棋譜と感想

6月4日(火)に兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われる第84期棋聖戦五番勝負第1局。羽生善治棋聖への挑戦権をかけて挑戦者決定戦【渡辺明竜王 vs 郷田真隆九段】が行われました。

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135手で先手:渡辺明竜王の勝ち。

「私は常にタイトルを1つ以上保持していなければいけない棋士だ」のように仰っていた郷田九段。昨年度の第38期棋王戦で棋王位を奪われてしまった渡辺明竜王との第84期棋聖戦の挑戦権をかけての一戦となりました。

渡辺明竜王の初手▲7六歩、2手目△8四歩。両者共に居飛車党の本格派で特に渡辺竜王は矢倉を好んで指すという印象ですが、昨年度のA級順位戦最終局、郷田九段との一戦で先手番矢倉で負けてから郷田九段とは矢倉になりませんね。

今回も渡辺竜王が三冠になった第38期棋王戦五番勝負第4局と同じように、3手目2六歩から角換わりになり、41手目までほぼ同じように指し手が進みます。42手目△3五歩、棋王戦第4局では42手目△4三金直だったのですが、最近ではNHK杯【堀口弘治七段 vs 永瀬拓矢五段】のように後手から△3五歩と仕掛けましたね。

ただ、部分的には似たような形でも5八金型と6八金型の違いがあり、5八金型だと後々の△5九角の筋が無い事やいざとなったら▲4七金と3筋を受けれますし、素人考えですが△3五歩はどうだったのかという印象。

46手目△4三銀、これには驚きました。序盤から角交換する角換わりでは角の打ち込みの隙を作らずに駒組みや攻めの理想形を目指すというのが一般的ですが、△4三銀とした事で6三の地点に角打ちの隙が出来ました。本譜も▲6三角で必ず馬が作れる角打ちとなり、無条件で馬が作れた49手目▲2七角の局面では早くも先手有利だったと思います。

49手目▲2七角に対して、郷田九段は昼食休憩を挟んで1時間49分の大長考。7手先、3手先に大長考した事からも42手目△3五歩に読み抜けがあったのか、46手目△4三銀がポカだった可能性が高いと言えるでしょう。その後の成算がなく、渡辺竜王を相手に無条件で馬を作られたわけですから後手の郷田九段としてはかなり厳しい局面だと思います。

50手目大長考の末に指したのは△7五歩。馬が2七にいる以上、2筋、3筋を抑え込むのは難しいという判断で戦線拡大。個人的には無条件で馬を作られてから方針転換するようでは後手は相当厳しいという印象でした。しかし、さすが郷田九段、細いですが軽い攻め手で十字飛車を狙ったり、飛車を取られても攻めが繋がればという指し方は流石でしたね。

終盤122手目△5九角の局面、渡辺竜王も長考されていて難しい終盤戦でした。たぶんですが、先手玉は次の△4八角成で詰めろがかかる2手スキだと思うので先手の渡辺竜王としては詰めろ詰めろで迫っていけば勝ちという局面。ただ、詰めろのかけ方も難しい難解な終盤だった気がします。

123手目▲8二飛、△4一歩、▲1二桂成のタダ捨て、129手目▲4四飛車が決め手で取っても取らなくても後手玉が詰んでいるというかっこいい手でした。投了図以下、123手目▲8二飛の効果で王手で金を取りながらの並べ詰みですね。

羽生善治三冠への挑戦者は渡辺明竜王(三冠)に決まりました。三冠同士のタイトル戦という事もありますが、今、将棋ファンが最も見たいゴールデンカードと言っても過言ではない素晴らしい対局が期待出来そうです。渡辺竜王が四冠になるのか、羽生三冠が防衛するのか、今から楽しみなタイトル戦です。

第84期棋聖戦五番勝負第1局は、6月4日(火)に兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます。

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