結城の棋譜解説

数日前に指した将棋の棋譜を使って私の考えやミスしてしまった一手について解説したいと思います。ただ、私の棋力は5級程度なので有段者の方にとっては見苦しい棋譜かもしれませんが、将棋を始めたばかりの初心者に役立てればと思います。

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先手:▲結城
後手:△相手
85手で私が勝った将棋です。

序盤の解説

初手▲7六歩に対して2手目△8四歩、これは「どんな戦型でも居飛車で迎え撃つ自信があるのでお好きな戦型でどうぞ」という後手からの意思表示です。ここでの選択肢は▲2六歩から角換わりや横歩取り、振り飛車、そして本譜の矢倉です。居飛車党の私としては2手目△8四歩なら矢倉がセオリーかなと思い、「矢倉でどうですか?」と3手目▲6八銀。

7手目▲6六歩は6筋を争点にされる事もあるので▲5六歩でも良かったのですが、後手8筋の歩が8五まで伸びているので右四間飛車も難しいだろうと思って無難に▲6六歩。

10手目△4二玉はちょっと意外でした。10手目は△5四歩や△4二銀が一般的かと思いますが、△4二玉と指されると「何かあるのかも」と警戒します。16手目の△5三銀も早い一手で、ゆっくりした相矢倉の将棋ではなく急戦調の将棋だろうと思いました。

急戦で仕掛けられるなら、先手としても悠長に駒組みしている場合ではありません。攻めの態勢を整える為にまずは▲2六歩と飛車先の歩を突きます。対して△3二銀、飛車先の歩は保留しておきたいタイプなのですが、2四の地点を銀・角どちらで受けるのか、それとも受けないのかを打診する意味で19手目▲2五歩。

20手目△3三銀と銀を上がって受けたので、角道が止まっている状態ではお互いに駒組みをするぐらいで、引き角から角を使っていく事になるのですぐに戦いが始まるという将棋ではなくなりました。

後手は△7四歩を保留しているので、▲4六角と覗いた時に先手を取れないのは辛いのですが、玉の入場ルートと3筋の歩を交換できるので29手目▲3五歩。△同歩、▲同角の瞬間に△4五歩とされて、3、4筋の位を確保されるのが怖かったのですが、本譜は32手目△4三金と指してくれて助かりました。

33手目に▲7九玉も指したいところですが、先に▲4六角、▲3六銀、▲3七桂の攻めの理想形を急ぎたいので33手目▲3七銀。

36手目も△4五歩から4筋の位を取られるのは嫌だったのですが、36手目△6四銀と指してくれたので37手目▲3六銀でひとまず角頭は安全に。ただ、36手目の△6四銀は次に△5二飛から△5五歩の仕掛けを狙っている手で油断はできません。

38手目△5二飛、△5五歩からの攻めが成功するかは分かりませんが、自玉の位置が6九のまま5筋から攻められると危険なのは確かです。なので、「まだ仕掛けないで!」という意味の39手目▲5八飛。

当然、△5五歩は指せないのでお互いに陣形の整備、端歩にもお突き合いしてくれて、47手目▲3七桂と跳ねて攻めの理想形が完成します。この局面で囲いのほうは1手遅れてますが、攻める態勢が整っていて1歩手持ちにしている分、少しだけ先手が良いかなという形勢だと思っていました。

48手目△9二香、これは後手の疑問手ですね。香車を角のラインから避けた手ですが、先手の狙いはそちらではありませんし、△9三香として△9二飛の含みを持たせたほうが良かったのかもしれません。1手得した気分で49手目▲8八玉と入場します。

50手目△7四歩、次に△7二飛から7筋の攻めが見えていますが、もう△5五歩から仕掛けられても大丈夫なので、51手目▲2八飛と指して「次に▲2四歩から仕掛けます」という意思表示をします。

52手目からお互いの駒がぶつかるので本譜では51手目までが序盤となります。

中盤の解説

中盤、仕掛ける前にまずは形勢判断したいです。囲いは先手後手ともに金矢倉、駒の損得もありませんが持ち駒に1歩ある先手が少し良い、駒の効率は右桂の活用と攻めの理想形が完成している先手が良いです。ただ、形勢はまだ互角といって良いほど拮抗しています。ここからの方針としては、攻めが切れそうになるまで「100%攻め」でいきます。

7筋からの攻めを見せていた後手ですが、51手目▲2八飛と5筋から移動したことで、52手目△5五歩と薄くなった5筋を攻めてきます。▲6五歩、△同銀、▲5五歩という手順も考えられますが、方針は「100%攻め」なので△5五歩には手抜きして53手目▲2四歩と突きます。さすがに次の▲2三歩成が厳しいので1回は△同歩と取りますが、△同銀のほうが難しかったと思います。

55手目▲2五歩、手筋の継ぎ歩で△同歩と取ってもらって桂馬を跳ねていきたいのですが、そんなに簡単に取ってくれるはずもなく56手目△5六歩と取り込みます。先手も57手目▲2四歩と取り込んだ局面、お互いに歩を取り合ったわけですが先手の取り込みは後手玉の玉頭なので、この歩の取り合いは先手良しと言えるでしょう。

58手目△同銀と2四の歩を取ります。△2三歩と指されたほうが難しかったかもしれませんが、どちらにしても6四に質駒の銀がある以上、57手目▲2四歩に対して手抜きは難しいところでしょう。

▲同角、△同角、▲同飛となった場合は先手の銀得で、しかも後手の守り駒を取れるので形勢は先手優勢と見ても良いです。

ただ、60手目△同角となった局面ですぐに▲同飛と角を取ってしまうのは△2三歩と打たれてしまい、4一銀が見えていても後手玉の玉頭が安全になってしまっては面白くありません。2四の角は動けないので焦って角を取る必要もなく、先に61手目▲4一銀を決めます。

62手目、後手はどの手を指しても形勢が良くなる選択肢はありませんが、△5四飛を選択。

飛車が浮いて二段目が薄くなったところで、63手目▲2四飛と角を取りながらの王手。64手目△2三歩と王手を防ぎますが、61手目に▲4一銀を先に入れてた効果で、65手目▲3二銀成が先に王手で入ります。

66手目△同玉に対して、飛車が逃げるようでは△5七歩成からの反撃があるので、67手目▲2三飛成と飛車を切って、68手目△同玉。

この将棋は中盤と終盤の境目が分かり難いのですが、このあたりから即詰みの有無、寄せの手順などを考え始めたので、68手目△同玉までを中盤にします。

終盤の解説

終盤、即詰みの筋や寄せの手順を読む前にもう1度形勢判断を行いたいです。駒の損得は飛車と金の交換で歩1枚後手のほうが多いので後手の駒得です。ただ、囲いの堅さでは雲泥の差で先手が堅いです。囲いの堅さというより後手玉は裸の王様ですし、3筋から4筋、5筋と逃がさなければ結構狭いです。また、手番を握っているのも大きいので先手優勢と見て良いでしょう。

69手目▲4一角、3筋から4筋、5筋と逃げられても追っていく為の角打ちだったのですが、70手目に△3二銀と受けずに銀を節約して△3三玉は後手の悪手だったと思います。△3二銀と受けられるとまだ難しい局面だったと思いますが、71手目▲3二金で脱出ルートを塞ぎます。

72手目△2三玉は▲4二金の王手金取りが厳しいので△2四玉。73手目▲2二金から詰めろは続きますが、先手玉が安全なので寄せを分かりやすくする為に、73手目▲2五歩、74手目△1三玉。

持ち駒不足なので75手目▲6三角成。飛車が入れば▲2二飛の詰めろから詰み形、76手目△8二飛で3二の金が取られてしまいそうですが、じつは受けには利いていません。76手目△8二飛は後手の悪手です。△5七歩成とされていたほうが難しく最終盤で1手違いだったと思います。

77手目▲5四馬で飛車を取ります。ここで△3二飛と3二の金を取ってしまうと、▲4三馬で飛車あたり、△2二金と打って受ける手もありますが、詰めろ詰めろで迫っていって先手が勝ちそうです。なので、▲5四馬には78手目△同金。

79手目▲2二飛、▲2四飛成以下の詰めろです。このあたりからはどの手順でも先手の勝ちなのですが、最後は85手目に▲3三金と必至をかけて後手投了。受けが利かない形なので後手としては先手玉を詰ますしかありませんが、先手の矢倉は堅陣で持ち駒も歩2枚だけなので先手玉を詰ますのは不可能ですね。

まとめ

私が指した棋力5級程度の棋譜なので、あまり参考にはならないかもしれませんが、プロ棋士が指した棋譜の解説なんて私には出来ませんので今回は私が指した棋譜を使用しました。

このように一手一手を振り返ってみると、先手後手ともに最善手というのは少なく、いかに悪手や疑問手、緩手を減らせるか、そして相手のミスした一手を咎めることができるかどうか、最善手を見つける事が難しいアマチュアはそういう事を考える必要がありそうです。

私が快勝した将棋に思えるかもしれませんが、もし後手が序盤に3、4筋の位を確保して上部に厚い指し方をしていたら、もし私の攻めを正しく受けられてしまっていたら、もし最終盤を1手違いに持ち込んで「間違ったら許さない!」というプレッシャーをかけられていたらと考えると、辛勝というより、相手のミスによって勝てた将棋だと思っています。

本譜に関してはお互いにミスが多く、決して褒められる内容ではありませんが、悪手や疑問手、緩手を含めて、初心者の方に「こういう考え方なんだ!」と、少しでも棋力アップのヒントにして頂ければ幸いです。

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