第71期名人戦七番勝負第1局 【羽生善治三冠 vs 森内俊之名人】の棋譜と感想

東京都文京区「ホテル椿山荘東京」にて、第71期名人戦七番勝負第1局初日に続き、52手目封じ手の△8五歩から2日目が再開されました。

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118手で後手:森内名人の勝ち。

私の封じ手予想は△6五歩だったのですが、確実に攻めの桂馬と守りの桂馬を交換できる手順を選んで本譜の封じ手は△8五歩だったのでしょう。

59手目▲4六角に対して60手目△4四桂、これが鋭い一手でしたね。交換したばかりの桂馬を使って攻め駒を攻めるという強い一手。持ち駒のまま温存しておきたい桂馬ですが、惜しみなく投入したことにより、先手の攻めの銀が引かされ、結果的に最後まで働く事はありませんでした。この△4四桂はなかなか気付き難い、分かっていても指し難い一手で森内名人の読みの深さを痛感させられました。

65手目▲6四角、何気ない角に見えますが、次に▲5五歩、△6三銀、▲5四桂という鋭い手を狙った一手。当然、森内名人もそれを読んでいるので66手目△3一玉と早逃げ。対して次の▲2四歩を見せて▲4六角としますが△3五角と角を合わせます。2七の銀が全く働いていないどころか飛車先を重くしている邪魔駒になっているので、このあたりから先手の羽生三冠としては無理筋でも動いていかなければいけない苦しい展開になります。

81手目からの▲2四桂、△4二金、▲6三銀の一連の流れですが、ニコ生解説者の加藤一二三九段曰く、「▲2四桂と指さずに単に▲6三銀のほうが▲6五桂と指せて良かったのでは?」という事です。先手からは▲7二角が狙いなのですが、単に▲6三銀だと相手にしてくれず、△3九角や△8五歩などのほうが早かった可能性があります。

89手目▲5八飛、60手目△4四桂の効果で2七の銀が邪魔で2筋から飛車を使えない、▲3八銀とすると横利きがなくなり、またその一手の余裕もないので飛車を活用する為の仕方ない一手だったと思います。羽生三冠が指された手を否定するつもりはありませんが羽生三冠としては辛い一手だったのではないでしょうか。

90手目△5五歩、これも凄い一手でしたね。一見「ただやん」と思うような歩ですが、5六の桂馬を守りつつ、成銀で取ると後手玉への攻めが弱くなるという鋭い一手。本譜も同成銀で取ったわけですが、その瞬間は後手玉への脅威がありません。私には思いつかない勉強になる一手でした。

99手目▲5四桂に対して△5二金、ここで羽生三冠が1時間以上の長考。このあたりから難しい局面になり、NHK-BSの屋敷伸之九段・門倉啓太四段の解説と、ニコ生解説の加藤一二三九段の解説は異なり、手が広く変化も多い難しい局面という印象。解説しているプロ棋士でもハッキリとは読めない非常に難しい局面だったと思います。

103手目▲1二歩、加藤九段の解説によると「▲1二歩が先手の敗着、▲4二角の変化だったらわからなかった」という事ですが、このあたりは難しすぎて私にはわかりません。

118手目△7五歩を見て先手の羽生三冠の投了となりました。以下、詰みはありませんが、▲1二とと詰めろをかけても△3二金で何でもない。逆に先手玉は一手一手という事です。

昨年の名人戦は第6局以外、「先手番のほうが勝つ」みたいな感じで、今日第1局を後手番で勝った森内名人の先勝はすごく大きな価値がありますね。逆に先手番で負けた羽生三冠としは最低でも1局は後手番で勝たないとタイトル奪取はありません。羽生三冠にとって1局目から厳しいシリーズになったという印象です。

第2局は4月24・25日(水・木)に静岡県富士市「富士市文化会館(ロゼシアター)」で行われます。第7局まで見たい私としては次は羽生三冠に勝って頂きたいと思います。

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