第71期名人戦七番勝負第3局 【羽生善治三冠 vs 森内俊之名人】の棋譜と感想

昨日の第3局初日に引き続き、岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」にて、【羽生善治三冠 vs 森内俊之名人】2日目が行われました。羽生三冠の封じ手は控え室の予想と激指の最善手だった▲1三香成でした。

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91手で先手:羽生善治三冠の勝ち。

封じ手の65手目▲1三香成から△同香、▲1四歩まで両者ほぼノータイムだったので森内名人の読み筋通りかと思ってましたが、次の68手目△1四同香に1時間41分の大長考。先手の角筋を止めてて飛車も捕獲できそうで、一目▲1三香成は攻めが細いようにも思いましたが、本譜のように指し手が進むと受け切るのが大変な攻め筋だった事がわかります。

70手目△1一香、ニコ生解説の渡辺明竜王は「△1三歩でも▲5四飛だから香車を打つのはもったいない」と仰っていましたが、脱出ルートを確保して入玉を含みにする△1一香だったようです。先手は香車を使わせた、後手は脱出ルートが広くなったという両者共に主張があった局面だったと思いますが、次の71手目▲3三桂成に昼食休憩を除いて1時間48分の大長考だった事からも寄せが難しくなったのは確かなようです。

73手目▲3四桂、渡辺竜王の解説では▲3四歩や▲5四飛も予想されていましたが、1番激しい順で決めに行った手みたいです。△3一玉は論外、△2一玉も▲1二歩、△同香、▲1三歩から先手優勢なので△同金の一手。

77手目▲2九香に対して△2七桂、香車の利きを桂馬で合駒するようでは後手は相当厳しいという印象。ここからは渡辺竜王の解説通り、後手に有効な指し手がなく終局まで一本道でした。本譜は91手目▲4三歩で森内名人の投了となり即詰みはありませんが、先手玉が堅陣で手付かずのままなので攻め合いも不可能ですね。

第71期名人戦七番勝負第3局を振り返ってみると、ポイントは封じ手の局面だったような気がします。封じ手の候補には本局の▲1三香成のほかにも、▲3五同角、▲3三桂成、▲2八飛などが考えられ、どの手にも後の変化が多く難しい局面だったと思いますが、結果的に▲1三香成以下、先手の一方的な攻めで後手の森内名人には反撃のチャンスも与えないほどの快勝だった事からも▲1三香成が鋭かったといえるでしょう。

あと、55手目▲3五歩は本局を合わせても過去に2局しか指されていない形なので、本局以降どのような研究がされ、どんな定跡が誕生するのかにも今後注目したいです。

これで第71期名人戦は森内名人の2勝1敗になりました。第4局は5月21、22日に大分県速見郡日出町「的山荘」にて行われます。将棋ファンとしては2勝2敗同士の第5局を見たいので第4局は羽生三冠を応援したいと思いますが、第4局は森内名人の先手番という事もあり難しいところですね。


(動画はNHKのミスで「森内名人勝ち」のテロップが出ますが羽生三冠の勝ちです。)

P.S.
相変わらず渡辺竜王の解説は面白かったですね。トップ棋士ならではの読み筋、見解、感想はもちろんですが、「昼食アンケート飽きた」発言や「見る将・見る専」宣言などキッパリしているところも楽しかったです。名人戦第4局ではNHKBSの解説をされるようでそちらにも注目したいと思います。

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