第54期王位戦挑戦者決定戦 【佐藤康光九段 vs 行方尚史八段】の棋譜と感想

第54期王位戦挑戦者決定戦【佐藤康光九段 vs 行方尚史八段】が行われました。羽生善治王位への挑戦権をかけての一戦。意外にも王位獲得がない佐藤康光九段とタイトル挑戦がない行方八段の挑戦者決定戦を注目されていた将棋ファンも多かったのではないでしょうか。

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143手で先手の行方尚史八段が勝ちました。

一手損角換わりから始まった序盤、10手目△2二飛からダイレクト向かい飛車。▲6五角が見えますが、△7四角で4三に角が成られても単なる角交換、受け方によっては後手の手損を回復できるので後手としては不満なし。という訳で▲6五角を指されるプロ棋士も最近は少ないという印象でしたが、行方八段は積極的に▲6五角を選択しましたね。

22手目△7四同歩の局面は先手の一歩得。後手はダイレクト向かい飛車を選択した時点、先手は▲6五角を選択した時点でここまでは想定内の進行だと思いますが、一歩得が大きい、そして後手に比べて先手のほうが模様が良いという印象で少しだけ先手が指しやすいかなと思いました。

23手目▲3六歩の局面、▲4六歩は実戦例があるようですが▲3六歩は前例がないようです。佐藤九段もそれまでは成算あっての作戦だったと思いますが、予想外だったのか▲3六歩に対して36分使われて△1四角を着手。先手としては3六歩が狙われてるので25手目▲2七銀。私なんかだと▲3七銀としてしまいそうですが▲2七銀が正着なのかと勉強になりました。

後手は角の利きが弱い、自陣も薄い、全体的に駒の働きが悪いという印象でしたが、先手に角を持たれてる状況でも隙を作らずに手を作っていくのは真似できない、さすが佐藤康光九段といった印象でした。特に28手目△4三金、30手目△5四金と金を攻めに使おうという積極的な指し回しは私には怖くて指せないです。

63手目▲7三金、実際には寄せがある局面ではありませんでしたが、王手飛車の筋が見えていたり、後手玉が薄いため何か決定打があってもおかしくない怖い局面でした。もちろん先手玉も薄いのでお互いに間違えれない局面が続きます。

77手目▲7一飛の局面で佐藤九段は1分将棋、98手目△4一金の局面で行方八段も1分将棋。両対局者1分将棋になってからの終盤戦がさらに激しかったです。プロなので当然かもしれませんが、私には複雑な局面ばかりで1分では詰めろかどうかもわからない攻防を的確に指しこなす両対局者に感動しました。

119手目▲4三角成、詳しく検討してないのでわかりませんが、たぶん▲4三角成からの29手詰み、143手目▲2一龍で佐藤九段の投了となりました。最後は長い詰み手順で駒も渡しましたし詰み損なったら後手勝ちという一手違い。お互い1分将棋なのにプロの読みの深さを改めて実感した将棋でした。

第54期王位戦七番勝負第1局は7月10日(水)・11日(木)愛知県蒲郡市「旬景浪漫 銀波荘」で始まります。名人戦、棋聖戦、そして王位戦とタイトル戦が続く羽生善治三冠に、今最も勢いがある行方八段がどのように挑むのか非常に楽しみです。

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